13 February 2025

強みを活かし、制作に向き合う。若手モーションデザイナーの挑戦

flapper3では、ベテランから若手まで約20名のクリエイターが、幅広いコンテンツ制作に挑んでいます。今回は、若手クリエイター4人が、自身の強みや制作に対するこだわり、これまで手掛けた案件、そしてflapper3の魅力などを赤裸々に語り合いました。(写真左から、山田、安倉、阿部、倉島)

若手クリエイターが考える、自身の「強み」とは?

―はじめに、みなさんが普段担当している業務と、flapper3に参加したきっかけについて教えてください。

阿部:ライブ映像を中心に、行政系のシアター映像など、多岐にわたる分野のモーショングラフィックスを手掛けています。大学ではシステムデザイン学部という、広くデザインを学ぶ学科に所属していました。その頃から映像に興味があり、学内の仲間とプロジェクションマッピングの制作にチャレンジしたこともありました。flapper3は大学時代から知っていたのですが、入りたいと思ったのは就活生になってからですね。映像作りだけでなく、空間まで演出している点に惹かれ2019年に参加しました。

山田:ライブ映像や商品のプロモーションなどを多く手掛けています。入社のきっかけは、もともとエンターテインメント系の映像制作に興味があったから。そしてもう一つ、flapper3に所属する先輩の作品をインターネットで見て惹かれたのも参加した大きな理由です。2024年に、新卒入社しました。

倉島:有名な先輩がたくさんいるから、わかります(笑)。僕は、主にライブ映像制作を担当してます。最近はミュージックビデオや、広告・プロモーション系のPVを手掛けることも増えました。flapper3との出会いは、学生時代。個人的に映像制作を始めたくらいの時に、「映像でメシを食う」というテーマでflapper3ともう2社が合同説明会を開くという情報をSNSで目にしたんです。ふらっと参加したら、面白そうな案件をたくさんやっているなと思い、大学2年生の時にインターンに応募しました。映像制作に関する知識やスキルをインターンを通して磨き、大学卒業後もそのまま在籍する道を選びました。

安倉:安倉と申します。本名は石濱なのですが、長いことインターネット上で使っていたペンネームが「安倉」と言いまして。社内でもその名前で呼ばれています。flapper3には、山田さんと同じく2024年に入社しました。現在は、ライブ演出やライブのオープニング映像などを担当し、個人制作として、モーショングラフィックスやアニメーションのコンポジットなどをやっています。入社を決めたのは、flapper3の手掛ける案件に興味があったのが1つの理由なのですが、入社前の見学会で会社案内をしてくれた、阿部さんと倉島さんの影響も大きいんですよ。

安倉:親しみやすい雰囲気で、安心したのを覚えています。

阿部:たしかに、ホームページのプロフィール写真は真顔の人が多いから(笑)。安心してくれてよかったです。


―若手ながらも活躍を続けるみなさんの「強み」を聞いてみたいと思います。

阿部:僕は、どんな案件でも細かなとこまで考えてつくるのが得意だと思います。いい感じになるまで粘り強くつくるたいな。

倉島:阿部さんは、裏技マスターなんです。「どこに載っているの⁉」と思うようなちょっとしたテクニックを持ってるので、すごいなと。

山田:スライダー制御、助かっています。僕も、いいものができるまで手を動かしたいタイプです。細かなところを突き詰めていくのが好きです。

安倉:山田さんは、リッチなCGが本当に上手なんです。シミュレーションなど難しい処理も得意なのが、本当にすごいなと感心させられます。僕の強みは……映像制作を小学校のころからやっているので、持続力ですかね。小学校低学年の時に、Windowsのムービーメーカーで遊んでいるような子どもでした。

阿部:安倉くんの映像は、「安倉味」がするんですよ。尖った映像をつくる人が多い中で、彼は明るくて綺麗な動かし方をするのが特徴だと思います。

倉島:そう。安倉くんの映像は、若々しくて、明るいんですよね。なかなかflapper3にはいないタイプだと思います。僕は、特別得意だというものもないけど、特段苦手なものもないので、そのバランス力が強みかな。どんな案件でも及第点は超えることができると思います。

山田:ジェネラリストですよね。でも、及第点なんて控えめすぎると思います。どの案件でも、クオリティの高い作品を仕上げていると感じています。

4人が振り返る、「強み」を活かして生まれた制作案件

―みなさんがこれまで関わってきた案件について聞いてみたいと思います。自分の強みを活かせたと思う案件や、印象にのこっているものはありますか?

MY FIRST STORY 2024 ''express'' @Zepp Haneda

山田: MY FIRST STORYのワンマンライブ「MY FIRST STORY 2024 ''express'' @Zepp Haneda」で担当した映像演出ですね。ライブで演奏された曲のうちの1曲を担当しました。入社してはじめてのライブ演出案件だったのでとても印象に残っています。音に合わせて蛍光灯のCGを光らせる、という映像なのですが、盛り上げるとこは盛り上げる、落とすとこは落とすというメリハリを意識して制作しています。

マジカルミライ 2024
マジカルミライ 2024
マジカルミライ 2024
マジカルミライ 2024

安倉:僕は、初音ミク「マジカルミライ 2024」のオープニング映像が印象に残っています。2024年のマジカルミライのテーマは「旅」だったので、キャラクター紹介部分では、搭乗券を切るとボーカロイドたちが登場する演出を入れるなど、ファンと一緒に楽しい旅に出るようなイメージで制作しました。楽しく、ポップな雰囲気も意識しています。

阿部:安倉味、出てますね(笑)。

安倉:あまり意識していないんですけどね(笑)。この案件は、限られた制作期間のなかでやりきることができたので自分のなかで大きな自信につながったと思います。

YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”
YOASOBI ZEPP TOUR 2024 “POP OUT”
YOASOBI ARENA TOUR 2023 “電光石火”
【推しの子】OP主題歌「アイドル/YOASOBI」 高橋李依(アイ役)cover.【歌ってみた】

阿部:僕は、YOASOBIさんのライブ映像ですね。特に「アイドル」という楽曲は、曲が発表されてから1年以上、公演ごとに、ライブのテーマや会場のLEDに合わせて演出を変えた映像をつくってきました。声優さんが楽曲をカバーしたミュージックビデオの演出を担当することも、ありましたね。1つの曲でこれほど多くの演出を手掛けるのは初めてだったため、“その現場での見せ方”を学ぶ貴重な経験になっていると思います。

阿部:ライブ演出で大切だと思うのは、映像がすべてではということ。照明やレーザー、観客の盛り上がりなど、それらの要素があってこそのライブなんですよね。現場でどう流れるのかを想像しながら、映像を細かく調整していく作業は面白いなと感じています。

初星学園 「Fighting My Way」Official Music Video

倉島:印象に残っているのは、僕が監督した、学園アイドルマスターの花海咲季が歌う「Fighting My Way」のミュージックビデオです。ありきたりなものにしたくない、という思いで制作を始め、とにかく多様な要素を詰め込み、視覚的にどこが切り替えポイントなのか分からないような表現にチャレンジしました。また、強気なキャラクターの個性を活かし、歌詞をダイナミックに表示してみるなど、らしさも意識しています。

若手クリエイターが制作で大切にしている視点

―若手クリエイターのみなさんが制作をする上で意識していること、心掛けていることはありますか?

安倉:動きの気持ちよさ、ですね。前後関係やカットとカットの繋がりが見ていて気持ちいいか、というのは意識しています。ただ、全体の流れが綺麗すぎてもそれはそれでインパクトに欠けるんですよね。ぱっと切り替えるところは切り替えて、全体のバランスを取りながら、見ていて気持ちいい映像をつくれるように努力しています。

倉島:僕は毎回、新しいことに挑戦するようにしています。使ったことのないソフトを使ってみたり、これまで取り入れたことのない表現を試してみたり。flapper3は、「新しいことをやりたい」と言うと積極的に挑戦させてくれるので、挑戦を続けることで、自分のスキルの幅を広げ、より良いものを提案できればと思っています。

山田:色々とありますが、やはり「見た目の良さ」は大事だと思っています。どんな意図を込めたとしても、まずは見た目が良くないと見てもらえないと感じていて……。そのためにも、質感や色合いなど、細部にまで注意を払い、自分が「良い」と思えるまで徹底的にやり込むよう心掛けています。

阿部:「絶対条件を必ずクリアすること」にはこだわっています。制作前に「この条件は絶対に必要だ」と思う要素を書き出して、クリアしたものから消していくみたいな。自分で自分をディレクションしながら進めるイメージです。淡々と作業していると、違和感に気づけないことってあるので、映像を逆さにして再生してみるなど、常に視点を変えてみることは意識しています。

安倉:イラストレーターで左右反転して見てみる、などもよく聞きますよね。

阿部:あるあるですよね。あとは寝起きの1発目にもう一回見てみるとか。そうすると客観的に見て、「これ抜けてる!」みたいな要素を発見できたりするので。そういう視点は大事にしています。

―最後に、みなさんから見たflapper3の魅力を教えてください?

安倉:第一に、案件の幅の広さですね。映像だけでなく、空間全体の演出を考える映像制作会社は少ないんじゃないかなと。そして、高い視座を持って、本気で映像制作に挑んでいる人が多いというのはflapper3の大きな魅力だと思います。僕自身も学ぶことが多く、素晴らしい環境だなと感じています。

阿部:たしかに、幅広い分野の映像に関われるのはいいですよね。僕が思うflapper3の強みは、メンバー全員に向上心があるところです。「良いものをつくろう」という意思が強いので、自分自身も自然と刺激を受けています。

倉島:「やりたい!」と思ったことに挑戦させてくれる環境がしっかりあるのは、flapper3の魅力だと思います。自分の意欲を尊重してもらえるし、わからないことがあれば丁寧に教えてくれます。新しいことにも積極的に取り組むことができるので、いい環境で成長することができていると思います。

山田:僕もflapper3がつくるコンテンツに惹かれて入社したので、つくりたいものに挑戦できる環境はすごく魅力的だと思います。flapper3のWORKSを見て、「こういう映像つくれたら面白そうだな」と感じる人は、働いていても「面白い」と思ってもらえると思います。

MEMBER

INTERNAL

  • DIRECTOR

    YUTA ABE

  • CG DESIGNER

    YASUTO ISHIHAMA

  • CG DESIGNER

    HARUHIKO YAMADA

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