ECO EDO 日本橋 2019
OVERVIEW
『ECO EDO 日本橋』は、flapper3が居を構える日本橋地域で毎年夏に行われているイベントです。2019年度は「五感で楽しむ、江戸の涼」をテーマに開催され、flapper3はデザイン制作を中心に担当しました。
制作したのは、動画コンテンツを含む「キービジュアル」、“日本の夏”を光と音、映像で空間に表現した「Summer Scroll」、日本橋の風景を撮り下ろしたフォトスライドショー「浴衣でめぐる日本橋 supported by 東レ」。いずれも、企画から参加し、演出、制作、ディレクションまで一貫して行いました。
IMAGES
活気あふれる街を、“水の流れ”で表現したキービジュアルと動画
キービジュアルは、イベントのテーマ「五感で楽しむ、江戸の“涼”」を象徴的に表現する必要があります。制作に当たっては、日本橋に関する文献を読み解くことから始め、日本的な表現手法の一つ「浮世絵」に注目してコンセプトを立案しました。
日本橋を題材にした浮世絵を紐解くと、その多くに橋と川を背景に活気ある人々の様子が描かれています。そこで、江戸地代から日本橋の文化を支えていた“水の流れ”を軸としたアートワークで、活気あふれる日本橋の姿を表現しようと考えました。色彩表現にもこだわり、浮世絵特有の繊細なグラデーションや、藍色をベースに金色をアクセントにした色使いを意識しています。
また、流れる水の中には、「ECO EDO 日本橋」の定番モチーフともいえる「金魚」を印象的に配置。静止画の中にも、flapper3が得意とするモーショングラフィックスの考え方を取り入れ、その前後のストーリーを喚起させるビジュアル表現を提案しました。さらに、この提案をきっかけに、同コンセプトの動画も制作。日本橋各所のサイネージで放映し、『ECO EDO 日本橋 2019』のトータルイメージの訴求を促しました。
映像と音、ライティング。通り全体を使って「写真映えする空間」を演出
「Summer Scroll」は、福徳神社に続く参道で行った、ライトアップと音、映像による空間演出です。「浴衣を着て写真を撮りたくなるような空間」をテーマに、キービジュアルと同様のコンセプトで企画立案から演出・制作に当たりました。
空間全体に音とライティングを立体的に設計し、涼し気で幻想的な「日本の夏」の世界観を演出。道路上には、流れる川の中に金魚や季節の花、花火といった夏にまつわるさまざまなモチーフを散りばめた映像をプロジェクターで投影しています。
映像の内容は、7月から9月の3カ月にわたる開催期間中に入れ替えています。会期前半は朝顔やあじさいをモチーフに、後半には鈴虫の音色の効果音を加えるなど、“夏のうつろい”が感じられるよう工夫しています。
これらの映像は、プロジェクターから発する光の軌跡までも詳細に計算して制作しています。また、多くの人に撮影を楽しんでもらおうと、「写真映え」することも意識。「まるで掛け軸の中にいるような写真が簡単に撮れるスポット」として、InstagramやTwitterでも話題にもなりました。
「浴衣でめぐる日本橋」をテーマに、撮り下ろしの写真作品を発表
江戸桜通り地下歩道のサイネージでは、flapper3の矢向直大の撮影による「浴衣を着て行きたくなる」スポットを収めた写真を放映しました。昔ながらの情緒あふれる街並みに、現代的な要素が混在する日本橋。この地を印象的に切り取り、時代に合わせながら継承されてきた浴衣とともに表現しました。
当日発表した写真は、全15カット。撮影スポットを記載したマップも配布し、来場者が同じ場所で撮影することができる仕掛けをつくりました。マップを片手に多くの人が訪れ、日本橋の新たな魅力をアピールするきっかけにもなりました。
CREDIT
CLIENT
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三井不動産株式会社
INTERNAL
- PRODUCER
- DIRECTOR / PHOTO
- ART DIRERCTOR
EXTERNAL
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SOUND
JOE TAKAYUKI (No.9)