MIKU EXPO 2021 Online

OVERVIEW

バーチャル・シンガー「初音ミク」の世界ツアー『MIKU EXPO』が、2021年はオンラインコンサート『MIKU EXPO 2021 Online』として開催。
オープニング映像とコンサート本編について、ARライブの映像制作を担当し、企画から演出・プロデュース・撮影・デジタル合成までをトータルで手がけました。

IMAGES

ARライブで、一体感のあるステージをつくり出す

初音ミクのコンサートの醍醐味は、バーチャル・シンガー 初音ミクが目の前に姿を現し、舞台上の生バンドと一体感のあるステージを展開することです。『MIKU EXPO 2021 Online』は、従来、会場で味わうことのできたステージとの一体感を、映像のみで演出する必要がありました。「今、ステージ上に初音ミクが存在している」ことを、いかに説得力をもって表現できるかが、最大の課題でした。

そこで採用したのが、ARライブという『MIKU EXPO』初の試みです。これにより、生バンドが演奏するステージ上に、バーチャル・キャラクターを違和感なく存在させることが可能になりました。また、本編前のオープニング映像でも、札幌の街の実写映像の中に初音ミクらバーチャル・シンガーたちを登場させています。これらは、従来の『MIKU EXPO』では実現できなかった、ARならではの映像表現です。

仮想と現実の照明を同期させ、キャラクター実在感を与える

バーチャルとリアル、2つの世界を同一空間に融合させるためには、データ上の要件を細かくすり合わせていく必要がありました。例えば、ステージの照明は、初音ミクと実在のバンドメンバーが完全に同じ条件で当たっていることが重要となります。

そこで、実際のステージのライティングプログラムを、初音ミクのモーションデータと同期させるシステムを組み、バーチャル空間とリアルな空間、双方が齟齬なく同じライティングとなるようにしました。この技術によりキャラクターの実在感が深まり、バーチャル・キャラクターと生身の人間を違和感なく同居させることが可能となりました。

クリエイターの思いを汲み取り、楽曲ごとに丁寧に演出

各曲の映像演出についても、企画立案から携わっています。初音ミクの楽曲は世界のさまざまなクリエイターによって制作されていることから、世界観やイメージも楽曲ごとに全く異なるのが特徴です。そして、どの楽曲にもクリエイターの初音ミクに対する熱い思いが込められています。そういったクリエイターの意図を第一に考えながら、ファンが求める初音ミク像をつくり上げることを目指しました。

また、ファンから寄せられた多くの演出リクエストにも応えています。『MIKU EXPO 2021 Online』はファンからクラウドファンディングを募って開催されており、そのリターンとしてステージ上で叶えてほしいことを募集していました。flapper3では、これらのリエスト全てを、楽曲の世界観にふさわしいイメージを考案して映像に組み込みました。例えば、「演出のモチーフにイコライザーを登場させてほしい」という要望には、リズムに会わせて変化する音の波形を使った空間表現を提案。単にリクエストに応えるだけではなく、効果的な演出として取り入れる工夫をしています。

SNSを活用し、配信映像に説得力をもたせる仕掛けも企画

配信用の映像制作に付随して、「初音ミクの実在感」をより感じ取ることのできる仕掛けも企画しています。例えば、バンドメンバー紹介のシーンでは、各メンバーのソロ演奏をフィーチャーした本配信用の映像のほかに、「メンバーのソロ演奏に合わせて踊っている初音ミク」も別映像も制作。後日、サプライズ映像として公式Twitterで公開し、世界中のファンから多くの反響を得ることができました。

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