OVERVIEW
プレイヤーが戦闘機のパイロットとなり、作戦をこなしていくフライトシューティングゲームのパイオニア『ACE COMBAT』シリーズ。flapper3では、シリーズのうち2作品の制作に携わっています。
2014年に発売した『ACE COMBAT INFINITY』では、ストーリーの幕間に流れるムービーとブリーフィングムービーの演出・制作を担当。2019年発売の最新作『ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN』では、出撃前に作戦内容を伝えるブリーフィングムービーに加え、メニューのデザイン、UI、フォントなどをコンセプトの提案から、幅広く制作・ディレクションを行いました。
IMAGES
ブリーフィングムービーのディテールデザイン
ミッション開始前に流れるブリーフィングムービーは、作戦内容や地形、敵勢力などをプレイ前に確認する重要なパートです。この情報量の多いビジュアルの制作にあたっては、ディテールを抽象的に記号化することが必須となります。
『ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN』 では、作中の大きな特徴であった「厚みのあるリアルな雲」の表現を、ブリーフィングムービー内でも点群表現を用いてグラフィカルにプレイヤーに伝えられるよう設計しました。これにより、プレイヤーは雲の厚みやミッション地域の状況を具体的に把握することが可能となります。
また、抽象的に表現された従来のブリーフィングとの一貫性を保ちながら、デザインに新しい要素を取り入れることもできました。
ブリーフィングUIの制作にあたり、プラグイン開発で効率化 を目指す
ブリーフィングムービーのUIは、軍事用コンピューターのOSをモチーフに作成しています。OSの基本要素として、縦軸に情報をまとめるというコンセプトを立案しました。この縦軸は、本作のストーリーテリングのうえで重要な意味要素をもつ『軌道エレベーター』の、空へと延びる1本の線をモチーフにしたもの。ブリーフィングムービーのほか、メインメニューでも共通のデザイン要素として使用しています。
縦軸の線と実際にマップ内に表示される要素を、全て斜め45度の線でつないで情報をリンクさせているのも本作のOSの特徴です。これらをデザインするには膨大な時間がかかるため、自動で線をつなぐオリジナルのプラグインを開発し、作業の効率化を実現しました。
ストーリーテリングに寄り添う、デザインワーク
ストーリーの展開に合わせ、ブリーフィングムービーのデザイン自体を変更する演出も行っています。正規部隊のブリーフィングでは、高性能なOSが搭載された機器の使用を想定し、先進的な表現ができる3Dマップで表現しています。一方で、罪を犯した隊員が集まる懲罰部隊のブリーフィングでは、時代の古い機器の使用を想定して、旧式のOSで表示される2Dマップでの表現を採用しています。
これらの違いは、プレイヤーがゲーム内で登場する設定をより想像しやすくする助けとなります。このようにデザインをストーリーに合わせて変化させ、プレイヤーがゲームの世界観をより深く理解できる様ようにするというこだわりを持ち、制作・ディレクションを行っています。
ゲームの世界観を深く表現するオリジナルフォント
ゲームUIやブリーフィングムービーなどで使用される専用フォントのコンセプト立案や制作、ディレクションを行いました。 ゲーム内の世界観を深く表現するために、軍事的な無骨なイメージの書体を提案。各言語へののローカライズも想定し、横幅をある程度固定するなど、シンプルながらも使い勝手の良いデザインを目指しました。
CREDIT
CLIENT
INTERNAL
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- CG DIRECTOR
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EXTERNAL
-
FONT DESIGNER
TOMOYUKI ARIMA