HATSUNE MIKU EXPO 2023 VR

OVERVIEW

2023年11月に開催された、バーチャル・シンガー「初音ミク」のオンラインイベント『HATSUNE MIKU EXPO 2023 VR』。『MIKU EXPO』初となるVR配信も実施された本コンサートの、ステージデザイン・ライブ演出ディレクション・VR制作・バーチャルカメラ撮影までトータルで手がけました。

IMAGES

臨場感あふれる、雰囲気の異なる2つのステージ

約1時間にわたる本コンサートの舞台となるのは、雰囲気の異なる2つのステージ。いずれもVRで見た際の迫力や、バーチャル空間でしか作り出せない規模感や演出を意識して制作にあたりました。

メインステージは、本コンサートのテーマでもある「おもちゃ箱」をイメージして制作。積み木のピースを積み重ねたお城のようなセットと、大きな観覧車が特徴の野外ステージです。遊園地を彷彿とさせる壮大な空間を再現しただけでなく、夕方から夜にかけて日が沈んでいく様子を演出として取り入れています。時間経過とともに変化する照明や電飾、キャラクターの見え方などを細かく調整しながら、迫力満載のステージを作り上げました。

しっとりとした楽曲や激しい楽曲などが多いコンサート中盤の舞台となるのは、メインステージの真下に位置する地下神殿。クリスタルやパイプオルガンなどのオブジェクトを配置し、神聖な雰囲気の屋内ステージを制作しました。クリスタルに映像を投影するなど、VJ的な演出も取り入れています。また、上部にはリング状の特殊な照明を3つ設置。リングの角度を曲ごとに変化させ、上から光が降り注ぐ幻想的な演出や激しく飛び交うレーザー演出など、楽曲の雰囲気に合わせた演出を行いました。

夕方のメインステージからはじまり、地下のサブステージへの場面転換。そして終盤に向けて夜のメインステージへと戻っていく一連の演出で、没入感のある映像体験を届けました。

多数の有人カメラで「リアリティ」を醸成

本コンサートで特に注力したのは、カメラ撮影です。ドローンカメラを含む8つのカメラのうち7つは有人で撮影し、キャラクターたちやコンサートのリアリティを追求。ドローン撮影も現場経験豊富なドローンオペレーターが操作することで、より躍動感のあるカメラワークを実現しました。

また、登場するバンドメンバーの映像も、正面だけでなく、右斜45度、左斜45度の3方向から撮影。バーチャル・キャラクターを追うカメラに合わせて、バンドメンバーの映像も適したアングルに切り替わる仕掛けとなっています。こうした仕掛けは、システムやプログラムに精通したflapper3テックチームのアイデアから生まれたもの。各メンバーが持つ知識と経験を集結させ、検証を重ねながらもリアリティあふれるコンサート演出を可能としました。

ステージを盛り上げるさまざまな特殊効果

本コンサートには、花火やスモーク、レーザー、紙吹雪などの特殊効果をふんだんに取り入れています。VRで見た際のインパクトも意識し、ステージを彩る照明や電飾も惜しみなく配置。海外の野外フェスに参加したようなダイナミックな演出で、コンサートを盛り上げました。

また、「鳥かご」や「ランタン」など、クラウドファンディングに参加したファンが考えた演出も各所に盛り込んでいます。各要望を効果的に演出として取り入れ、「ファンと一緒に作り上げるコンサート」を実現しました。

CREDIT

CLIENT

  • CRYPTON FUTURE MEDIA, INC.

INTERNAL

EXTERNAL

  • Graphic Designer

    Shunsuke Sugiyama (mimoid.inc)

  • Opening CG Director

    TOHRU MiTSUHASHi

  • Opening Theme Composer

    YUC'e

  • Cinematographer

    Shinnosuke Komatsu

  • Drone Operator

    Tetsu Kitagawa (grid_FPV)

  • VR Lighting Director

    Yusuke Kakuse (Future Sense Co.Ltd.)

  • VR Lighting Assistant

    Takumi Moriya (FORM)

  • Lighting Director

    Mikisuke Umeda

  • Lighting Assistant

    Ibuki Katagiri

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