19 July 2023
山本太陽がREELオープニングに込めた10秒の表現
flapper3では、これまでの制作実績をまとめたREELを数年ごとに制作、公開しています。各REELのオープニングを飾るのは、ディレクター・山本太陽が手掛けるオリジナルのモーショングラフィックス10秒程の表現の中で、毎回テーマを変え、新しいツールや手法を取り入れながら制作にあたっています。
今回は、いままで公開してきたREELの紹介を通し、制作で意識していることや作品ごとに異なるチャレンジングな試みなどについて、山本が語ります。
数10秒の映像で魅せる、flapper3のクリエイティブ
―まずは、山本さんが普段担当している案件について教えてください。
私は、音楽系の案件を担当することが多いです。たとえば、アーティストのライブ映像やミュージックビデオ、CDジャケットのアートワークなど。音楽系の案件の他にも、イベントのキービジュアルをデザインしたり、空間演出を手掛けたりと、様々な案件に携わっています。REELについては、冒頭のオリジナルモーショングラフィックの制作を、2012年の一作目から担当しています。
―REEL冒頭のモーショングラフィックを制作するにあたって、意識していることはありますか?
REELのオープニング部分から、flapper3のクリエイティブをアピールできるよう意識しています。REEL本編で、当然私たちの実績やコンテンツの制作イメージを知っていただけると思いますが、その導入となるオープニング部分でも、見ている人をあっと驚かせるような映像を作りたいと考えています。
テーマ設定はもちろんですが、映像をつくる上で意識しているのは、動きの緩急をつけること。たった10秒でも、淡々とした映像が流れるだけでは見ている人も飽きてしまうと感じています。そこで、激しく動く映像とゆったり動く映像を組み合わせるなど、全体にメリハリをつけ、インパクトに残るような映像構成を心掛けています。
言うなれば、REELは「会社の看板」でもあるので、オープニングからもflapper3らしさを感じていただけたら嬉しいですね。
自由度の高い制作の場だからこそ、
いままでやったことのない表現にもチャレンジできる
2014年に公開したグリーティング用の映像では、機械的なテーマで作品を作っています。こちらは、flapper3のロゴが機械的な動きで組みあがっていくというもの。
―REELのオープニング映像のテーマは、どのように決めているのですか。
毎回、「これまでやったことのないことに挑戦する」というテーマを掲げて制作を行っています。flapper3の自社制作物だからこそ、実験的なことをやりやすい場所だと思います。そこで得たノウハウをクライアントワークに還元することもできるので、積極的に新しいツールを取り入れたり、新しい表現にチャレンジしたりしています。
―これまで公開してきたREELのオープニング映像について教えてください。
2015年に公開したREELは、特に印象に残っていますね。タイムプラス映像にflapper3のロゴが浮かんでいる映像なのですが、こちらは、初めて実写合成をやってみようということでチャレンジした作品です。タイムプラスの映像は、知り合いのカメラマンが撮りためていたものを使用させていただいています。スタイリッシュでかっこいい雰囲気を出すために、映像のチョイスから、ロゴの動き、タイトルの文字配置などを工夫しています。
2018年は、より実写映像をメインに制作しました。この時は、実際に自分たちで実写撮影から挑戦してみようということで、制作がスタート。「この映像はオチに使えるんじゃないか」、「この映像は効果的に使えそうだ」と漠然と考えてはいましたが、とにかく街中の風景をひたすら撮り続けて、それらをつないだ即興的な映像作品に仕上がっています。さらにエフェクトをのせることで、見慣れた都会の景色のなかに、バーチャルな世界観を入れ込むことができました。
実写映像が続いていたので、2019年のREELはCGがメインの映像に仕上げました。flapper3の10周年記念ということもあり、これまでのダークな雰囲気から一転し、明るくカラフルな色使いで爽やかな印象を目指して制作しています。
この時使用したのが、当時リリースされたばかりのtyFlowというプラグインです。実験的に新しい技術を導入し、実際の使用感を見極めながら制作。物理的に不思議な動きをする布のシミュレーションに挑戦し、さらにガラスのような質感と、ホログラムのような色味を重ねて、幻想的な映像を作り上げました。
ツールを駆使してアップデートを続ける、最新のREEL制作
―新しいREELについても教えてください。
今回は、ダークヒーロー映画のような世界観でよりハイスペックなGPUレンダラーを使用し、REELのオープニング映像を作ってみました。レンダラーとは、簡単に言うと3DCGの最終的な絵づくりをするツールのこと。今回使用したレンダラーは、これまで以上に写実的な表現ができるソフトですので、重厚感のある映像を目指しました。
MEMBER
INTERNAL
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CHIEF DIRECTOR
TAIYO YAMAMOTO